2006年11月07日
雪峰 番外編:日野浦司さんを訪ねて その参
日野浦さんとのお話も一段落して、いよいよ自分の買う刃物を選ぶ段になりました。日野浦さんが工房に行き、幾つか持ってきてくれる間、隣にいたyn君が「これが良いです!って選んで買えない位の値段だったらどうする?」と言います。 げっ。。確かにそれはありえる。説明の段階でテーブル上に並べてあった刃物達の表情を見ていると無い話では無い、、などとちょっと別な意味でドキドキしました。 まあでもカッコつけてもしょうがないし最悪はちゃんと正直に言うしかないな、と腹をくくりました。笑 (実際はちゃんと相応の、但し私には充分な品質の物を持ってきていただきました。)
候補を持ってきていただく前に、私の目的をきちんと話して置かないといけないと思い要望を伝えます。一にも二にも薪を割る事がメインの使用だということ。比較的大きめにカットされた薪を焚き付けなどの際に細くしたりする使用方法となると思いますと言いました。
日野浦さんの答えは、
まっすぐに真っ二つに割るなら両刃が向いています。それに対して枝を払ったりするのなら片刃が良いでしょうとのこと。この辺りはライダーさんに教えて頂いた通りの答えでした。
さらに、切れ味という事では片刃のほうが切れますが割るという目的なら両刃のほうを勧めますと言われました。後は刃物自体のテーパーがある程度きついほうが刃が入っていった時に木材が開いていくので良い事や、重さが適当に
あるほうが鉈の重さで刃が入っていくので作業がしやすいとの事を聞きました。 そして持ってきて貰った鉈は背が黒く、金槌で叩いた後もそのままに
迫力のある物でした。しかし最初に持ってきて頂いたそれは、まだ柄が付いてない状態でした。
私が「これに今此処で柄をつけていただく事は出来ますか?」と聞くとそれに合った柄を幾つかピックアップしていただいたのですが、微妙にフィットせずそして、本位では無い物を付ける事はご自身的にNGと言うことでまず一本目はあきらめることになります。
数日前から予約して来たのならともかく、私達は当日アポを取って半ば押しかけ気味に来ている訳ですから、わがままは言えません。
しかしその後に日野浦さんは、また工房の奥から今度は柄の付いた鉈を持ってきてくれました。スノーピークのカタログで見た鉈よりも刃の部分に緩やかなRが付いています。 「こうやって曲線が付いていると力が点で当たり易いので割る作業には向いています」
持った感じのバランスも良く私もとても気に入りました。
ひそかにスノーピークで販売している物と、ちょっと違う感じだと
自分で買いに来たと言う満足感的に嬉しいと思っていたので(素人丸出し感覚)形状と共に、背の仕上げがポリッシュではなく荒々しい所も気に入った
ポイントです。
買い物をするときに「コレ買います」でもなく「コレください」でもなく
「これを売って下さい。」と言ったのは初めてです。
日野浦さんに威圧する感じが有った訳では勿論無くて、
素晴らしい製品を前に自然と口をついて出た言葉でした。
前置きが長くなりました。 見てみてください。








嬉しくて当日の夜にキャンプ場で表面の保護用のニスも取らずに
薪を割ったので擦れた後がありますが、これは本来シンナーで取ってから
使うそうです。普段のメンテはサラダ油等を塗っておけば良いそうです。
砥石は天然などは高いので一般の方は人口砥石で充分とのこと。
まず800番、仕上げには3000番位が適当と教えていただきました。
当日生まれて初めて薪を割りました。木目に直角向きでは割れないと
思っていたのですが、全然そんなことは無く刃を食い込ませ数回の
恐る恐るの打撃の後にアッサリと”パキーン”と割れました。
一言でいうと、、、快感です。
実はこの鉈に関しても、鞘(さや)が当日適当な物が無く本体のみを
買ってきました。自分的には良い鞘を自分で作れば良いと思い
その旨を日野浦さんに伝えました。
こうして2時間もの間、お話をしたり鉈や刃物を見せていただきました。
私の前に来ていた方が、中々工房から出てこなかった理由も
その時は良くわかりました。 あれだけのモノ達を前に、これください
これ買いますで出てくるには、余りにも勿体無いし出来ないと思いました。
丁寧でわかり易い日野浦さんの説明と、モノ作りへの拘りと
情熱を受けに行くリピーターの方が多い理由も納得です。
工房を出ると辺りは、すっかり暗くなっていましたが
新潟に、そして此処に来れて良かったと夜空を見上げて思うのでした。
yn君。ありがとう。 貴方も一本どうですか?
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候補を持ってきていただく前に、私の目的をきちんと話して置かないといけないと思い要望を伝えます。一にも二にも薪を割る事がメインの使用だということ。比較的大きめにカットされた薪を焚き付けなどの際に細くしたりする使用方法となると思いますと言いました。
日野浦さんの答えは、
まっすぐに真っ二つに割るなら両刃が向いています。それに対して枝を払ったりするのなら片刃が良いでしょうとのこと。この辺りはライダーさんに教えて頂いた通りの答えでした。
さらに、切れ味という事では片刃のほうが切れますが割るという目的なら両刃のほうを勧めますと言われました。後は刃物自体のテーパーがある程度きついほうが刃が入っていった時に木材が開いていくので良い事や、重さが適当に
あるほうが鉈の重さで刃が入っていくので作業がしやすいとの事を聞きました。 そして持ってきて貰った鉈は背が黒く、金槌で叩いた後もそのままに
迫力のある物でした。しかし最初に持ってきて頂いたそれは、まだ柄が付いてない状態でした。
私が「これに今此処で柄をつけていただく事は出来ますか?」と聞くとそれに合った柄を幾つかピックアップしていただいたのですが、微妙にフィットせずそして、本位では無い物を付ける事はご自身的にNGと言うことでまず一本目はあきらめることになります。
数日前から予約して来たのならともかく、私達は当日アポを取って半ば押しかけ気味に来ている訳ですから、わがままは言えません。
しかしその後に日野浦さんは、また工房の奥から今度は柄の付いた鉈を持ってきてくれました。スノーピークのカタログで見た鉈よりも刃の部分に緩やかなRが付いています。 「こうやって曲線が付いていると力が点で当たり易いので割る作業には向いています」
持った感じのバランスも良く私もとても気に入りました。
ひそかにスノーピークで販売している物と、ちょっと違う感じだと
自分で買いに来たと言う満足感的に嬉しいと思っていたので(素人丸出し感覚)形状と共に、背の仕上げがポリッシュではなく荒々しい所も気に入った
ポイントです。
買い物をするときに「コレ買います」でもなく「コレください」でもなく
「これを売って下さい。」と言ったのは初めてです。
日野浦さんに威圧する感じが有った訳では勿論無くて、
素晴らしい製品を前に自然と口をついて出た言葉でした。
前置きが長くなりました。 見てみてください。








嬉しくて当日の夜にキャンプ場で表面の保護用のニスも取らずに
薪を割ったので擦れた後がありますが、これは本来シンナーで取ってから
使うそうです。普段のメンテはサラダ油等を塗っておけば良いそうです。
砥石は天然などは高いので一般の方は人口砥石で充分とのこと。
まず800番、仕上げには3000番位が適当と教えていただきました。
当日生まれて初めて薪を割りました。木目に直角向きでは割れないと
思っていたのですが、全然そんなことは無く刃を食い込ませ数回の
恐る恐るの打撃の後にアッサリと”パキーン”と割れました。
一言でいうと、、、快感です。
実はこの鉈に関しても、鞘(さや)が当日適当な物が無く本体のみを
買ってきました。自分的には良い鞘を自分で作れば良いと思い
その旨を日野浦さんに伝えました。
こうして2時間もの間、お話をしたり鉈や刃物を見せていただきました。
私の前に来ていた方が、中々工房から出てこなかった理由も
その時は良くわかりました。 あれだけのモノ達を前に、これください
これ買いますで出てくるには、余りにも勿体無いし出来ないと思いました。
丁寧でわかり易い日野浦さんの説明と、モノ作りへの拘りと
情熱を受けに行くリピーターの方が多い理由も納得です。
工房を出ると辺りは、すっかり暗くなっていましたが
新潟に、そして此処に来れて良かったと夜空を見上げて思うのでした。
yn君。ありがとう。 貴方も一本どうですか?
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Posted by yas1031 at 00:24│Comments(8)
│日野浦司さんを訪ねて
この記事へのコメント
良いですね、鋼の刃先が光ってますねぇ。
うん、かっこいい、他に言葉が浮かびません、良い物ってこういう物なんでしょうね。
この鉈の鞘は、厚手の革で作ったカバーの方が格好いいかも知れないですね。
刃先は、少し刃を殺して有るんでしょうか?、光具合がちょっとわかり辛いのですが、先端に1mm幅ぐらいの刃がついている感じになっていますか?。このままの角度で刃がついてると、ちょっと心配です。
この刃の丸みが格好良いですねぇ、研ぐの大変そうだけど、頑張ってメンテナンスして下さいね。
それにしてもこういったものの買い方良いですね、ほんと価値有る体験だと私も思います。良かったですね。
うん、かっこいい、他に言葉が浮かびません、良い物ってこういう物なんでしょうね。
この鉈の鞘は、厚手の革で作ったカバーの方が格好いいかも知れないですね。
刃先は、少し刃を殺して有るんでしょうか?、光具合がちょっとわかり辛いのですが、先端に1mm幅ぐらいの刃がついている感じになっていますか?。このままの角度で刃がついてると、ちょっと心配です。
この刃の丸みが格好良いですねぇ、研ぐの大変そうだけど、頑張ってメンテナンスして下さいね。
それにしてもこういったものの買い方良いですね、ほんと価値有る体験だと私も思います。良かったですね。
Posted by ライダー at 2006年11月07日 01:01
厚手の革、、私もそんな風に思っていました。ただ縫い合わせの方法でつまづいてしまって一先ずは別の素材にしようと思っています。 刃先、、刃の先端の事でしょうか。
母材がYの字状になっていて(断面で見えるのです)中に鋼の材料が10~15mm程度
挟み込んでいる感じになっています。上部から断面を見た画像を、近いうちにUPしますね。
母材がYの字状になっていて(断面で見えるのです)中に鋼の材料が10~15mm程度
挟み込んでいる感じになっています。上部から断面を見た画像を、近いうちにUPしますね。
Posted by yas1031 at 2006年11月07日 01:11
>ライダーさん
↑慌ててコメントするので、いつもお名前が
抜けていてすみません。
↑慌ててコメントするので、いつもお名前が
抜けていてすみません。
Posted by yas1031 at 2006年11月07日 01:12
今回の鉈の話題に影響されて、自分も転がっていた安物の鉈を研いでみました、刃先の殺し方(コレがyas1031さんの鉈に必要かどうかは分かりませんので問い合わせてみて下さい)を書き込んでますので、ちらっと見て下さい。
あまりお見せするような研ぎ上がりじゃないので恥ずかしいのですが。
あまりお見せするような研ぎ上がりじゃないので恥ずかしいのですが。
Posted by ライダー at 2006年11月07日 02:49
ごめんなさい、刃先ですが1mmも付けてなかったです、ブログにも書きましたが、0.3~0.5mmぐらいの糸面取りです。
Posted by ライダー at 2006年11月07日 10:48
(^-^*)/コンチャ!
こちらへのレスが後先になってしまいました。ペコリ(o_ _)o))
小振りだけど・・なかなかどうして存在感ありますね。これならスパッと薪が割れそうですね。カタログにはないオリジナルのような所にも惹かれてしまいます・・・いいな~(まじで思っていますo(´^`)o ウー)
物づくりの現場で購入できるほど素晴らしいものありませんよ!いつか現物みてみたい!ホントにそう思える道具ってなかなかないですよ!
ご購入おめでとうございます!
こちらへのレスが後先になってしまいました。ペコリ(o_ _)o))
小振りだけど・・なかなかどうして存在感ありますね。これならスパッと薪が割れそうですね。カタログにはないオリジナルのような所にも惹かれてしまいます・・・いいな~(まじで思っていますo(´^`)o ウー)
物づくりの現場で購入できるほど素晴らしいものありませんよ!いつか現物みてみたい!ホントにそう思える道具ってなかなかないですよ!
ご購入おめでとうございます!
Posted by naru at 2006年11月07日 15:19
>ライダーさん
見てきましたよ~。
薪割りの時も、そうだったのですが
一度こうして見せて貰うのと、全くの未体験
で事に臨むのとでは、気持ちの余裕が全然違います。 砥石で何度も研いだ刃物は
紛れも無く自分の道具になっていますね。
私も砥石買ってこないと。
見てきましたよ~。
薪割りの時も、そうだったのですが
一度こうして見せて貰うのと、全くの未体験
で事に臨むのとでは、気持ちの余裕が全然違います。 砥石で何度も研いだ刃物は
紛れも無く自分の道具になっていますね。
私も砥石買ってこないと。
Posted by yas1031 at 2006年11月08日 00:40
>naruさん
DOもそうですが、鉄物は手入れも必要ですが使い込む程に道具と仲良くなっていける上に耐用年数が長いのがいいですよね~。
これから焚火のシーズンなので、楽しみです。
DOもそうですが、鉄物は手入れも必要ですが使い込む程に道具と仲良くなっていける上に耐用年数が長いのがいいですよね~。
これから焚火のシーズンなので、楽しみです。
Posted by yas1031 at 2006年11月08日 00:46
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